O脚、XO脚の解消法
O脚の悩みは、若い人から高齢の方まで意外と多くおられます。O脚改善は美しさを求めるだけではなく、健康面でも重要です。
なぜなら、O脚は変形性膝関節症と共に、腰痛や骨盤の歪みを引き起こす他、骨盤が開いてしまうため内臓も下垂して、お腹も出っ張ってきます。
そのO脚を改善するには、原因となる力学的メカニズムを知ってこそ、初めて改善法が分かるのです。ヒントは、どんな場合でも人間の土台となる足裏から上部をみていくことです。つまり、O脚の人たちのほとんどに、外反母趾や指上げ足(浮き指)、扁平足があるということです。
O脚には、次の3つのパターンがあります。
ひざ下のO脚
外反母趾や指上げ足(浮き指)、扁平足のある人は、歩くとき足指が地面に上手く接地しない「指上げ歩き」をしてしまうため、どうしても足先が外方向へ必要以上に流れてしまい、足首がゆるんでしまいます。
(×悪い歩き方)悪い歩き方は蹴り出す時、足先が外方向へ流れてねじれのストレスが発生。
(○正しい歩き方)正しい歩行は真っ直ぐ蹴りだせるため、無駄がない。
O脚発生のメカニズム
『ひざ下のO脚』をテコの原理で説明すると次のようになります。
(1)足先が外方向へ必要以上に流れる歩き方(ねじれ歩行)は、足先がテコの原理でいう「力点」となります。
(2)次に、緩んだ足首の内側周辺が「支点」となります。
(3)その結果、必要以上のねじれのストレスが「作用点」となる腓骨小頭部へ繰り返されるため、この部分が次第に外側に緩んで、ひざ下のO脚になってしまうのです。
ひざと股関節のO脚
ひざ下のO脚に、必要以上のねじれのストレスが股関節にまで及んだ場合は進行した本物のO脚となり、ひざの外側にある腓骨小頭と股関節がゆるんで開いてしまいます。
ひざと股関節のO脚は、必要以上のねじれのストレスが膝だけではなく、(4)の作用点となる股関節にまで及んだ場合です。その結果、股関節がゆるんで大腿骨骨頭部(大転子)が外側に開いてしまうのです。
XO脚
XO脚とは、両膝はくっつくけれど膝の外側と股関節が外側にはみ出している状態です。膝を内側に締める筋力が強い、若い女性に多く見られます。
XO脚の原因は、(3)の作用点となる腓骨小頭部を中心に、膝の関節面をはさんで上下で相反するねじれのストレスが起こり、この時、「反作用点(3)A」となる膝を締めようとする筋力が勝った場合、大腿骨の下端部は内側にずれ、両膝はくっつきますが大腿骨下端部は斜めに傾くので、その上端部となる大腿骨骨頭部の作用点(4)は自然と骨盤より外側にはみ出してしまいます。そして、下端部も外側に大きく湾曲してしまいます。
O脚・XO脚の治し方
O脚やXO脚の原因が分かってこそ、初めて治し方も分かるのです。原因は、外反母趾、指上げ足(浮き指)、偏平足によるねじれ歩行が原因ですから、次のことから始めてください。
(1)足裏のバランスを整える
まず最初に、足裏のバランスをテーピングやそれに代わるテーピング靴下を履き、足指を踏ん張って真っ直ぐ蹴る正しい歩行を促します。
(2)ひざ締め屈伸運動
ひざ閉め屈伸運動を毎日行い、両膝を閉める筋力をつけ、ひざが開かないように鍛えます。
(3)開脚運動
両膝をできるだけ広げて、腰と背筋を伸ばして座ります。次に、ゆっくりと体を前に倒して下さい。最初は、ひじがつく程度から次第に胸もつくように努力してください。お相撲さんの「またわり」もこの開脚運動です。
ですから、お相撲さんにはO脚は1人もいないのです。また、開脚が必要条件となる一流スポーツ選手にもO脚は見かけないのです。O脚があると、重力とのバランスが悪くなり、激しいスポーツは危険でケガをしやすいということを物語っているのです。
この他、サラシを用いたゲートル法により確実な方法があります。やり方がわからない場合は、「フットケア整体院」で一度、施術・指導を受けられることをお勧めします。足裏のバランスを整えて、膝しめ屈伸運動と開脚運動を3~4ヶ月位続けるだけでもかなりの効果が出てきます。
足裏のバランスを整えると正しい歩行が自然と促され、これに膝しめ屈伸運動と開脚運動を加えるだけでもO脚が改善されてきます。
O脚が改善されると、すねやふくらはぎに余分についた筋肉も落ち、すねの張りやだるさもなくなってきます。また、効率的な歩行や運動ができるため基礎代謝が高まり、早く脂肪を燃焼させる効果や姿勢もよくなりヒップアップやバストアップにもつながります。