ひざの痛みに対するセカンド療法(ひざサラシ法)
ひざを治す働きの90%が固定(無重力療法)にあるのです。ですから、このセカンド療法の根本となる「無重力療法」を使うのです。電気や湿布、薬、マッサージ、栄養(サプリメント)などは残りの10%の効果でしかないのです。
「無重力療法」とはサラシ包帯を使って、ひざに加わる負担を軽くし、無重力の状態に近づけるという方法です。これによりどんなひざ痛も3週間で半分回復するという劇的な効果が得られます。
劇的な効果がある理由は、負担度(足裏からの突き上げと体重がひざの関節面で衝突を繰り返す)より安静度(治癒力)が上回る固定をすることにより、何人も治癒に向かうという自然治癒力の法則が人間に備わっているためです。
サラシ包帯によるひざ関節の固定は、これを十分発揮できるための環境条件を整えてやるということなのです。
例として、宇宙飛行士が無重力の中に長時間いると骨がとけてきたり、骨量が低下するということが裏づけられています。これは全身の場合になりますが、サラシ包帯によるひざ関節の固定は、変形したひざ関節だけの骨をとけさせたり吸収させることができます。
「変形したひざの骨は治らない」と誤った情報が氾濫しそれに洗脳されていますが、これは固定をしないで治そうとしてきた長年の結果からこのような間違いが起きてしまったのです。この無重力療法は、変形したひざの骨を固定することにより吸収させ修復することができるのです。
これは治療医学の基本中の基本であり「過剰仮骨の吸収」と呼び、またすり減ってなくなった部分には「付加骨の添加」という自然治癒力が働き、新たな骨で修復されるのです。
このサラシ包帯固定法は、ひざだけの部分的な固定なので日常生活はそのまま続ける事ができるため、筋力が低下して治りが悪くなるなどの余計な心配はないのです。
正しいひざ療法(無重力療法)とは
イ. ひざにサラシを3等分に裂いた包帯(通称3裂のサラシ包帯)を平均1本から1本半分の量を巻き、ひざの関節面で上の骨と下の骨が衝突したり、ねじれたりするのを防ぐ無重力療法(負担度(破壊力)より安静度(治癒力)が上回る固定)を行います。
ロ. 足裏の免震機能を保つために人工筋肉素材の免震インソール、または免震シューズを使用します。(足の最大の役割は免震機能であり、構造物では耐震構造設計と言います。)
ハ. 立っているときは常にひざをほんの少し曲げかげんにして立ち、骨に頼って立つのではなく、筋肉に頼って立つ癖をつけ、ひざを守る筋肉を発達させます。(警告!:ひざを伸ばして踵から着地する歩き方が一番悪い歩き方)。
これだけの事なのです。
電気や湿布・薬はあくまでも対処療法、気休め、癒しなのです。
全国の医療機関で、この「サラシ固定法」が実行されていないのです。慢性的な痛みには固定をしなくてもいいという誤った考え、洗脳からの脱出が必要なのです。
「原因がはっきりしている新鮮なひざの損傷と、負傷の瞬間を特定できない慢性的なひざの痛みを比較した場合、細胞損傷の事実と損傷の程度や深さは同じなのです。」従って、「変形性膝関節症」のような慢性損傷があっても、新鮮なひざのケガと同じように固定をする、またそれ以上に固定をしなければならないという考えが必要なのです。
その裏づけとなる理論は、「固定すれば過剰仮骨(変形)の吸収と付加骨の添加(すり減った骨の再生)」という原則が、人間の体にもともと備わっているというものです。
痛みで悩んでいる人は3週間で半分治っただけでもかなり楽になってきます。
炎症や痛みが半分になると、精神的にも落ち着きを取り戻し、安心感と共に希望が出てきて残りの半分の治療に専念できるようになってくるのです。
安心感、そして希望が持てる!
サラシ包帯の作り方
○ サラシは下着やねまき、布団などを売っているところで買えます。
サラシと呼ばれるものは普通、木綿製で横幅が31cmから33cm、長さ9mのものを指します。
○ これを縦に3・4・5と等分に裂いたものをそれぞれ3裂・4裂・5裂と呼び、包帯の大きさの種類を表します。 ひざの治療においては縦に3等分に裂いた3裂のサラシ包帯を作り、これを使用します。
○ まず横幅に3等分の切れ目を入れてから、切れ目の両側をもち、勢いよく両手で引っぱって裂いて下さい。曲ることなく、きれいに3等分に切れます。ハサミで切るよりはるかに上手く切れます。
1. 巻く量・固定量の決定
3本のサラシ包帯ができたら、次に巻く量・固定量の決定です。
ひざへの根本療法は「ひざへの負担度より安静度が上回る固定」ですから、次の固定量を目安にして下さい。
○ 体重60kgまでの人はサラシ包帯1本
○ 体重70kgまでの人はサラシ包帯1本半
○ それ以上の人ならサラシ包帯2本が適量となります。
これだけの量を巻くと一応に驚いたり、歩きづらいのではないかと疑問に思う人がいるかも知れませんが、決してそうではありません。きちっと巻いたサラシ包帯はその場から安心感が出てきて気持ちがいいのです。
たとえ遅くとも2~3日目からは安全本能が働き、逆に包帯を外すことに危険を感じて体がサラシ包帯を要求してくるのです。
最初のうちは重たいような違和感があったとしても、ほとんどの人が2~3日で安心感に変わるということです。
2. サラシ包帯の巻き方
サラシを巻く時はひざを45度に曲げ、おさらのところから上下に幅広く、できるだけ強めに巻いていくことがポイントです。90度ではありません、注意して下さい。
ひざを45度に曲げて巻くと、どんなに強く巻いても害はありません。なぜなら、伸ばした時に自然にゆるむからです。そして、日常生活における歩行ができるので、脂肪は落ちても筋力は落ちないのです。この事実を知って下さい。
今までの治療で治らなかった人は今からでも迷わず勇気を出してサラシ包帯固定をして下さい。そして3週間で半分治ることを実感してもらいたいのです。
3. よくなってきたらサラシ包帯と専用サポーターの併用
患者さんの中に、私の著書「自分で治すひざの痛み」(フットワーク出版)を読んでサラシを巻き、本当に半分治ったので来院してきたという方が多くいます。また、読んだだけでとにかく一度診てもらいたいという方もおられます。遠くから来られた方には、治療の後に、ひざ療法の一式を持ち帰ってもらい、自分で治すその方法を指導しています。
尚、よくなってきてサラシ包帯固定が面倒と感じる人には、専用サポーターと3分の1の量に短くしたサラシ包帯の併用を勧めています。
また、歩き始めに痛い、立ち上がる時だけ痛むなど、比較的軽い痛みに対しては専用サポーターを勧めています。
4. 遠方の方へのメッセージ
1度も通院しなくても、私の著書「自分で治すひざの痛み」(フットワーク出版)をよく読み、実行してくれれば必ずよくなります。
ひざの痛みは本来治り易く、正しい治療をすれば必ずよくなるものだから実行していただきたいのです。ひざが痛くなる本当の原因とその根本療法を知ってしまった以上、治っていただきたいと心から願わずにはいられないのです。
治らなかったのは誤った情報(慢性痛には固定をしなくてもいい)と誤った治療法(固定をしない治療法)が一般化されてしまったためなのです。つまり、根本療法(サラシ固定)である幹の治療ができず、電気やマッサージ、湿布など枝葉の治療法に惑わされて、大勢の人たちが慢性化させ、そして痛みで苦しむ人が増え続けているのです。
私のフットケア整体院にも遠くから1日がかりで来たり、近くのホテルで1泊しながら来院してくる患者さんも多くいます。そのような患者さんには、当然通院することはできませんので、1回だけ来院していただき次の事を指示しています。
イ. 隠れていた本当の原因を力学的に分かり易く説明し、その防御の対策として、日常生活の中で「ひざを伸ばしきらない」「踵から着地しない」など、これまでの常識をくつがえす新しい、そして正しい歩き方を教えます。
ロ. 次に治す最大のポイントである固定量、つまりその人に合った適量を教え、適量のサラシ包帯を2組持ち帰っていただき、洗い替えとして使っていただきます。
その時、サラシ包帯の巻き方を教え、肌で実感してもらい、さらに巻く期間・治るまでの期間、つまりゴールを教えているのです。
ハ. 最後に、ひざ痛の最大原因、隠れていた本当の原因となっている地面からの過剰な衝撃波やねじれ波を吸収無害化する人工筋肉素材の免震インソールや免震シューズの必要性を説明しているのです。
そして、途中で迷ったら電話をしてもらい、その都度勇気づけているのです。
人は正しい原因と正しい治し方と治癒までの期間、つまりゴールを知ると、そのゴールに向かって迷いなく進み、結果的に最短距離を通って治癒に至るものなのです。
詳しくは、私の著書「自分で治すひざの痛み」(フットワーク出版)\1,365を参考にして下さい。