いいかげんにされている「ひざ療法」
現実問題として、ひざの痛み程いいかげんにされている治療はないと思います。誤ったひざ療法が最もらしく、しかも平然と行われている、その事実に患者さん側も施術する側も気づいていないのです。その結果、10年、20年と通院しているにもかかわらず「何年も治らない」「正座ができなくなった」「ひざが曲らなくなった」という現実があります。これは厳密にいえば、医療ミスなのです。
痛くなった本当の原因を理解できていないから、正しい治療に結びついていないのです。「使い過ぎ」「運動のし過ぎ」「老化現象」「歳のせい」「太り過ぎ」というのは、誤った診断です。なぜなら、いくら使っても、また運動をし過ぎても、歳をとっても、太っていても痛くならない人はならない、むしろそのような人の方が多いからです。
どんなひざの痛みも3週間で半分治る
私はテレビや雑誌、講演、また自分の著書「自分で治すひざの痛み」(フットワーク出版)などあらゆる分野で「どんなひざの痛みも3週間で半分治る」と宣言しているのです。残りの半分はこじらせた期間の5分の1と言っています。90%以上がこれにあてはまります。こじらせた期間とは包帯固定をしないで治療していた期間の事です。
いろんな有名病院・大学病院で治療を受けたと自慢する人がいますが、ひとつだけやっていない事があるのです。それは治るための90%の働きとなる固定なのです。根本療法となる「サラシ固定法」をしていないのです。
階段も昇れない、足を引きずりながらやっとの思いで来院してくる患者さんにも、サラシ包帯を使った固定法(無重力療法)の劇的効果を話し、3週間で確実に半分治してきたのです。そして、これを35年間続けているのです。
「3週間で半分治る」と宣言できるのはそれだけの事実と、それを裏づける理論があるからです。人は正しいひざ療法を行なえば誰でも必ず治るものなのです。
正しいひざ療法とその裏づけ
正しいひざ療法とは、ひざに繰り返される負担度(静かな破壊力)より安静度(静かな治癒力)が上回る固定を「サラシ包帯」を用いて行う(無重力療法)のことなのです。
この負担度より安静度が上回るための固定量と期間の読み取りと、それが実行されるかどうかで治るか、治らないかは決まるのです。すべてのひざの痛みに共通して、「負担度より安静度が上回れば、自然治癒力が発揮され人は誰でも快方に向かう」というありがたい法則が人間に備わっているのです。これを使うのです。これを「無重力療法」と呼んでいるのです。
例として、骨折をした場合、ギプスで固定をしておけば何もしなくても完全に治るという原則です。つまり、変形して出っ張った骨は、「過剰仮骨の吸収」という自然治癒力が発揮され変形が修復され、一方すり減った骨は「付加骨の添加」という自然治癒力が発揮され、足りないところに新しい骨が出てきて自然修復されるのです。
イ. 「負担度」とは、足裏の免震機能の低下からくる『衝撃(突き上げ)』と、左右異なる歩き方による『ねじれ(ねじれ歩行)』、これに体重が加わりひざの関節面で「過剰な衝撃」と上下で相反する「過剰なねじれ」が繰り返されることを言うのです。そして、これを静かな破壊力と呼んでいるのです。
ロ. 安静度とは足裏に免震処置をした上で、サラシを使った包帯固定を施し、ひざの関節面を無重力状態に近づける固定法(無重力療法)の事を言うのです。
また、これを静かな治癒力と呼んでいるのです。
地面からの突き上げとねじれは、人工筋肉素材の免震インソールや免震シューズで吸収無害化し、上半身の負荷重はサラシ包帯固定(無重力療法)でかわすという治療法です。