6、ひどい外反母趾のほとんどが『足へバーデン(カサハラ外反結節)』
へバーデン結節とは手の爪のすぐ下の第1関節が太く変形する病気
整形外科や接骨院を訪れる中高年の患者さんの7人に1人位の割合で見られるのですが、残念なことにこのへバーデン結節は手の指以外にも発症し、足の指やひざ・腰・首にも現れそれぞれの関節を変形や疲労骨折させ、長引く痛みや傷害を起こしているという真実が全く知られていません。私は、これだけ多いという現状から”国民病”だと訴えているのです。
手の場合は症状が進むと指が太くなったり、ものを取る時ぶつかり、突き指のような痛みを起こすこともあります。画像診断では、関節の隙間が少なく、骨棘(こつきょく)という骨のトゲができていて、亜脱臼している場合もあります。
そして『足の方から始まるへバーデン』や『手と足の両方に同時に起こるへバーデン』『ひざ・腰・首から始まるへバーデン』もあるということです。これを知ることが重要です。
どうして発症する人としない人にわかれるのか、その原因についてはまだ不明ですが、活性酸素による自己免疫疾患、膠原病説、ビタミン・ミネラル摂取不足の体質、あるいは病原菌に対する感染説などがあります。
『へバーデンはリウマチとは異なるが、同じように関節の変形・微細な疲労骨折を起こす』
関節が変形する病気として”関節リウマチ”があります。
リウマチは血液検査ですぐ分かりますが、へバーデンは分かりません。ヘバーデンは指先の爪のすぐ下の第1関節だけに起こると報告されていますが、へバーデンは関節によってはリウマチと同じような症状を起こします。
足ヘバーデン(カサハラ外反結節)はまだ知られていない
「足に出たヘバーデン」については全くと言っていいほど周知されていないという切実な現状があるということです。そのために、ほかの普通の外反母趾と同じように対処・治療してしまい、中には全く放置してしまった末「ひどい外反母趾」へと進行させてしまっている方が極めて多いのです。
へバーデンは進行性です。「ヘバーデンと外反母趾との関係」を追及していかなければ、「足と健康との関係」や予防策が分からなくなってしまい、いずれ身体の上部に二次的障害を引き起こしてしまうということも知らない・理解できないままになってしまうのです。
ヘバーデンは、(1) 手から始まる場合と、(2) 足から先に始まる場合と、(3) 手と足に同時に始まる場合がありますが、初期のヘバーデンは見落とされがちです。
足へバーデン(カサハラ外反結節)の見分け方は親指のねじれる方向
まず、手の指にへバーデンがあるかどうか見て下さい。
手の指にあると、足の指に発症している、または今後発症する確率が高いからです。そして、手首付け根(第1中手骨部)の骨が出っ張っているかどうかもチェックしてください。
そして、最もわかりやすいのが、『足の親指が外側にねじれて爪が外を向く』ということです。
へバーデンの人はリウマチと同じように、唯一ここの関節が亜脱臼している場合が多くあります。
急性の場合は激しい痛みと腫れが出ます。痛みがない場合はひどい変形です。
この他、天候や季節の変わり目や歩き始めに痛み、昼間は治まってくるなどの症状があります。
「足ヘバーデン(カサハラ外反結節)」はモートン病やひどいタコの原因に
足ヘバーデンは体重が乗る分、足の骨格をひどく変形させ骨を破壊させてしまいます。更に、変形した部分の骨を繰り返し地面に打ち付けて歩くようになると、X 線上には写らない第2 指のつけ根の骨が疲労骨折したりします。同じように第4 指のつけ根に痛みが起きる「モートン病」の原因にもなっています。足指の形がバラバラに崩れ、指のつけ根部分が歩く時に地面に多く当たるようになると中の骨を守るための防御反応として角質層が厚くなり、ひどいタコができます。
医師の判断を優先され、あくまで「自分でできる未病改善」の参考として下さい。