これなんだ!「女性の足と首が危ない!!」
慢性痛や自律神経失調症を治す最大のヒントは、自然界の法則に従うことです。
絶対的重力の支配下にある地球、人間もこの自然界の法則に合うように造られ、それによって生かされている以上、重力とのバランス(調和)を図り、自然治癒力を発揮させる医療であり、そして健康法、予防法でなければならないのです。
なぜなら、「人間の体は重力とのバランスを効率的に保つことを最優先しているからです。そして、その重力とのバランスを最も多くコントロールしているところが、足裏の機能だったのです。」
人間は、日々の生活の中で無意識に足裏の機能をもって重力と戦い、同時に絶妙なコントロールでバランスを保とうとしています。そして、重力とのバランスが保たれたところに『美』と『健康』が生まれ、知能や運動能力が発達し、これに伴って文明や進化が促されてきたのです。これが、「美を追求していくと健康にたどりつき、健康を追求していくと足裏のバランスにたどりつく」といわれるゆえんなのです。
また逆に、重力とのバランスが崩れたところに、美を損なったり原因のはっきりしない慢性痛や自律神経失調症状・病気が発生し、更には退化や人類の滅亡が促されてしまうのです。
今、成人女性の80%に何らかの足裏の異常がみられますが、問題なのは自分の足裏の異常に気付いていない人が多いということです。その結果、医師や治療家も含め、「足裏の異常から健康を追求する」という考え方に到達しないのです。
それによって、原因のはっきりしない慢性痛や自律神経失調症状、それに関連する病気が激増し、そしてこれらの治癒率も30年前より低下しているのです。つまり、30年前より治りが悪くなっている、これが問題なのです。
人間は、2本足で歩くようになった時から、足裏が重力とのバランスを最も多くコントロールするようになり、一時も休むことなく重力と戦っているのです。
その結果、人間の体は既にどこをとっても足裏(土台)を中心にすべて重力とのバランスを効率的に保てるよう精妙な構造で造られていて、それは近代兵器も太刀打ちできないほどです。まずはこの事に目覚めることです。
従って、人間の土台である足裏から、ひざ・腰・首などの慢性的な痛みや自律神経失調症状・病気の原因を力学的に診断したり、バランスを整える治療をしていくことが医学の中心にこなければならない、「これなんだ!」と叫び続けているのです。
一般的に、家やビルが傾いたら土台からみていくという考えが、自然に起ります。また積木に例えると、積木を高く積み上げるには最初の1段目である土台のバランスから正していくという考えがあります。
逆に、積木の1段目が傾いていると、その最上部は崩れないように常に反対側に歪むという力学の法則があります。これを人間に当てはめてみると、足裏に異常(不安定)があるあとそれに比例して上部も歪み、その中でも特に最上部にあたる首が大きく歪み、ダメージを受けることになるのです。これが、「足」と「首」と「慢性痛・頭痛・肩凝り・めまいなど自律神経失調症状」との関係だったのです。
このことからも分かるように人間も、土台となる足裏から上部の歪みを診断したり、また整えて治療していくという考え方が臨床治療の中心にこなければならないし、またこれが自然なのです。
しかし、現代医学にはこの重要な部分を見落としているのです。このため、原因のはっきりしない痛みに対して、「使い過ぎ」「歳のせい」「老化」といい、自律神経失調症状には時おり「心の問題」などといってごまかし、隠れている本当の原因を読み取れない落ち度を患者さんに責任転嫁してきたのです。ここに、臨床医学のごまかしと遅れの理由があったのです。
負傷の瞬間を特定できない慢性痛や自律神経失調症などこれら全ての症状には、重力とのアンバランスの中に原因が隠れており、それに伴う足裏の異常を80~90%の割合で見つけることができ、そしてそれは統計を根拠とした数値で立証や再現もできるのです。
確かに薬は病原菌に対しては100%近い効果がありました。これによって薬万能といった先入観にとらわれ、慢性痛や自律神経失調症にも効果があると錯覚してはならないのです。病原菌によるものと、過剰な重力の負担によるものとは原因が全く違うからです。薬で治そうとする考えは誤りなのです。
私が発見した第3の医学「過労性構造体医学(Gバランス医療)」とは、「重力との調和」、この自然界の法則を人間に当てはめた根本理論であり、哲学に裏付けられた全く新しい理論なのです。
本書の重要性は、今までに見落とされていた足裏の異常(不安定)から、慢性的な痛みやその足裏の異常が、首の骨を変形させることによって起る自律神経失調症状、更には病気までも自然界の法則に照し合せ力学的に解明し、そして自然治癒力を効率的に発揮させる治療法を提案しているところにあるのです。
今までにない考え方なので、読み終わる頃には多くの方が驚きと共に、今までの常識がくつがえされると思います。そして、健康の秘密や隠れていた本当の原因を一度知ってしまったら、たとえ素人のあなたであっても、自分のことはもとより「人として人を治したい」「人として人に知らせたい」という押さえきれない魂の叫びや勇気が突き上げてきたり、またそのような方向へ自然と心が向うものだということに気付くはずです。
首を痛めると自律神経失調症状を起こす理由
自律神経失調症と診断された人たちを調査すると、そのほとんどが足裏の異常と共に、首の凝りやだるさ、痛みを訴えています。これは、首を痛めている証拠の1つになります。前頁で説明したように、頭蓋骨と頚椎との接続部を圧迫し続けると、脊柱管に変形や微細な疲労骨折などの破壊が起こってしまいます。
変形や破壊により、第一頚椎周辺から液状のカルシウムが流れ出し、X線やMRIなどの画像診断では見つけられない軟骨の肥厚やとげ状の骨が出てきます。石灰化が進むと『後縦靭帯骨化症』と呼ばれる状態にもなります。これらの首の異常は、頭蓋骨と頚椎との接続部にある神経根を圧迫してしまいます。圧迫された神経は伝達不良となり、結果的として自律神経失調症状が起こってくるのです。
また、ひび割れや微細な疲労骨折が進むと、脊柱管の中から脳室やクモ膜化腔を満たしている脳脊髄液が流れ出し、脳脊髄液の絶対量が減少するため自律神経失調症状、特に重症なムチ打ち症状を起こしてしまいます。医学的には、これを「脳脊髄液低下症候群」と呼んでいます。次が重要なことです。第一頚椎周辺から液状のカルシウムが流れ出したり、脊柱管から脳脊髄液が漏れ出す最大の原因は、「歩行時における過剰な衝撃波とねじれ波が歪んだ頚椎に繰り返されたことなのです。」医学現場では「微細な外傷」でも起こるとされていますが、ではなぜ、「微細な外傷」でこれほど重度な症状が起こってしまうのか!?答えは、悪い足による悪い歩き方は既に90%の変形や疲労骨折が蓄積しているため、残りの10%が「微細な外傷」となる軽い尻もちやスポーツ、ジョギング、日常の片寄った生活環境条件だったのです。ですから、思春期の子どもにも同じように起こっていることを知らなければならないのです。
調査結果として、自律神経失調症状は老若男女に発生しますが、前ページで説明したように外反母趾や指上げ足、扁平足、ハイアーチなどの足裏の異常、つまり不安定がある女性に多く発症してしまいます。そして逆に、病院で自律神経失調症と診断された患者の95%にこのような足裏の異常を見つけることができるのです。最近では、これら足の悪い男性にも自律神経失調症状や更年期障害、不定愁訴症状が起こっています。原因を知ることは予防にもつながるのです。
なぜ、女性に自律神経失調症が多いのか!?
自律神経失調症状を訴える人は20から50歳位までの女性に多いとされていますが、実は中学生や高校生にも多く見られます。
ただ、中学生や高校生の場合は同じような症状であっても、先入観から子どもには自律神経失調症と診断しない場合が多いのです。本当は大人も子どもも一緒なのですが、理解されておりません。
では、なぜ女性に自律神経失調症が多いのか、今までその理由をはっきりと説明できた人はいなかったと思います。その答えは、「重力に対する筋力の男女差」にあったのです。つまり、男性も女性も同じ割合で重力の影響を受けているわけですが、女性の方が筋力をわずかに弱く造られているため、重力の影響や負担を多く受けて、負けてしまったことに原因があるのです。
人間の体は、重力に対し常にバランスを効率的に保つことを第一優先している力学的構造体なのです。そして、その重力とのバランスを最も多くコントロールしているところが足裏であり、足底筋群の力が関係しているのです。筋力が弱い女性の方が重力の負担に負け、外反母趾や指上げ足、扁平足などにもなりやすいのです。足裏が不安定になると、その不安定を首が補うため、頭蓋骨と頚椎の接続部に変形や微細な疲労骨折などの異常が起こり、自律神経を圧迫し、それぞれの症状が起こっているのです。
一般的には、心の不安、緊張感、恐怖心、心身の疲労が続くと、その情報は能から視床下部へ伝えられ、それに対応しきれず自律神経が失調してくるとされていますが、それより大きな原因になっているのが、足裏の不安定と首の異常なのです。今まで、この問題に気付いていなかったのです。
本書では、この足と首からくる自律神経失調症を取り上げていますが、首に異常があると一般的に言われている不安、緊張感、恐怖、心身の疲労など心の問題も加算されてしまい、より重症な症状が現れてしまうのです。